アウトサイダー
彼の両手が私の首に伸びて、ゆっくり首を締め始める。
「や、止めて……」
「勘違いするな。お前は俺の女だ。逃げられると思うな」
次第に食い込んでくる彼の指を必死で外そうとしながら、それでも突き上げ続ける彼に、壊れてしまう。
もう、いっそこのまま……。
抵抗を止めて力を抜くと、彼が私の首を締め上げていた手を離した。
ゲホッ
突然酸素が肺になだれ込んできて咳き込むと、彼はそれでも冷たい眼差しを私に向ける。
「覚えておけ。俺からは逃げられない」
この時はっきりわかった。
あの頃の母の絶望と恐怖を。
あまりに深い絶望に包まれると、逃げることすらできなくなることを。
母はきっと私がいたから、最後の気力を振り絞ったのだ。