アウトサイダー
それから彬さんは、事務所に電話をして私の退職を一方的に告げた。
それでも私は、もうなにも言えなくなってしまった。
ただ、この部屋で静かに呼吸を繰り返すだけ。
携帯も取り上げられて、あれから永沢さんがどうしているのかさえ、知るよしもない。
だけど、もういい。
もうこの籠からは逃げ出せないのだから。
一生、彬さんに償い続ける人生しか、もう私には……。
外出も禁止されて、私は軟禁に近い生活をおくった。
彼が会社に行っている時に、逃げ出そうと思えばできるはずなのに、恐ろしくてそれもできない。
もしも失敗して見つかったら……今度こそ彼は、私の首を締め上げるかもしれない。
母があの頃そうだったように、恐怖に支配されて、自分でもどうすることもできないのだ。