アウトサイダー
「すみません、わざわざ」
「いや。お母さん、ちょっと彼女をお借りしても?」
「えぇ、もちろん」
突然出かけると言われて驚く私を連れ出した永沢さんは、私を車に乗せる。
「あのっ……」
こうやって外出するのは久しぶりだ。
買い物でさえ母に頼んでひたすら引きこもっていたから。
「もう、傷も消えたな」
「はい、ありがとうございます」
彬さんにつけられた痣も、唇の傷もすっかり癒えて、元通りになっていた。
「斉藤のところに行く。
いつまでも隠れているわけにもいかないし、それじゃあ、紗知の人生も台無しだ。
なにか手を考えたい」
私のせいで仕事に支障が出ては困ると、そうしなければならないとは思っていた。
だけど、改めて言葉にされると緊張が走る。