アウトサイダー
たったそれだけ話しただけで、永沢さんは私の手をとって部屋を出た。
仕事の話なんて、少しもせずに。
ドアを開けたすぐ横に、壁にもたれかかって腕組みしている斉藤さんが……。
「邪魔した」
「いえいえ。やっぱりそういうことか。
お前のお人好しは学生の頃から変わらないな」
「ふん。うるさい」
「だけど、お前の友人として一言。
お前が奪えばいい。他人に遠慮ばかりしないで」
「もちろん、そのつもりでいくけどな」
その言葉にニヤリと笑った斉藤さんは、「池森さん、またね」といって太陽のいる部屋に入って行った。