アウトサイダー
「永沢さん!」
「ごめん。怒ったか?」
駐車場まで来たときやっと手を離してくれた彼に優しい顔でそう言われて、なんだか気が抜ける。
「怒ったりしてません。でも……」
「でもなんだ。篠川くんの彼女が気になるのか」
百合さんに聞こえていないだろうか。
こんなこと聞こえてしまったら、きっと彼女が傷ついてしまう。
「さっき斉藤が言ってただろう?」
「えっ」
「俺のことお人好しだって。お前が奪えばいいのにって。
その言葉、そっくりそのまま紗知にやる。
篠川くんが欲しいならなりふり構うな。
紗知にだって、幸せになる権利があるだろう?」
永沢さんの言葉に、唖然としてなにも言えない。
私にも、幸せになる権利が……。
だけど、百合さんのことを傷つけてそんなこと、できない。