アウトサイダー
「それともうひとつ。
篠川くんがこれで動かず、紗知もそうなら、遠慮なく俺は紗知を奪う。
悪いが、千島くんには絶対に渡さないし、もう俺は紗知への感情を抑えるつもりはない」
そんな言葉を吐きつつ、彼の顔はいつもの穏やかさを取り戻していた。
「それと、この家は紗知の夢なんじゃないのか?
多分、篠川くんも同じだろ?
俺もプロだから妥協はしない。
だけど、この家には俺や斉藤には作れないなにかがあるんだ。
何度でも図面を描きなおして、達成してみろ。
きっとなにかが変わるはずだ」
私の夢……。
叶わないかもしれないと思っていた夢が、もうすぐ手の届くところまで来ているのだ。