アウトサイダー

「それともうひとつ。
篠川くんがこれで動かず、紗知もそうなら、遠慮なく俺は紗知を奪う。
悪いが、千島くんには絶対に渡さないし、もう俺は紗知への感情を抑えるつもりはない」


そんな言葉を吐きつつ、彼の顔はいつもの穏やかさを取り戻していた。


「それと、この家は紗知の夢なんじゃないのか? 
多分、篠川くんも同じだろ? 

俺もプロだから妥協はしない。
だけど、この家には俺や斉藤には作れないなにかがあるんだ。
何度でも図面を描きなおして、達成してみろ。
きっとなにかが変わるはずだ」



私の夢……。

叶わないかもしれないと思っていた夢が、もうすぐ手の届くところまで来ているのだ。


< 432 / 576 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop