金色のネコは海を泳ぐ
その日の夜。
ルーチェはベッドの上で何度も寝返りを打った。眠れないのだ。
ジュストは昼間飛び出していってから帰ってきていない。夕食に顔を出さないジュストを家族は皆心配して外を少し探したのだけれど、見つからなかった。ジュストが行きそうなところなど見当もつかない。
「わからないのは、私の方だ……」
ジュストのことをわかっていないのはルーチェだ。
ずっと、お城の部屋に閉じ込められるようにして眠り、自由になれたと思えばネコになっていてひとりぼっちで海を泳いでいた。
“抱っこ”と甘えてくるのも、きっと寂しいからなのだろう。17歳の人間と考えると問題はある気もするが……
ルーチェは布団の中で身体を丸めて自分を抱きしめるようにした。ジュストに八つ当たりしてしまった自分が情けなくて鼻の奥がツンとする。
「……っ」
ルーチェは頬を伝う涙をパジャマの袖で拭って起き上がった。部屋の隅に置いてあるジュストのためのベッド――赤ちゃん用の揺りかご――が空っぽなのを見て、ギュッと胸が痛くなる。
――『一緒に寝るのもやめるし、僕のこと嫌いになったんでしょ!』
ジュストは朝になるといつもルーチェのベッドにもぐりこんでいて、ルーチェは毎朝ジュストを怒っていた。ルーチェに嫌われたと思うのは、無理ないのかもしれない。
「違うよ……」
ジュストのことが嫌いなわけではない。人間の姿は見たことがないけれど、ジュストがネコではないと――男の子だと――知って、どうしていいかわからないだけなのだ。
ルーチェはベッドの上で何度も寝返りを打った。眠れないのだ。
ジュストは昼間飛び出していってから帰ってきていない。夕食に顔を出さないジュストを家族は皆心配して外を少し探したのだけれど、見つからなかった。ジュストが行きそうなところなど見当もつかない。
「わからないのは、私の方だ……」
ジュストのことをわかっていないのはルーチェだ。
ずっと、お城の部屋に閉じ込められるようにして眠り、自由になれたと思えばネコになっていてひとりぼっちで海を泳いでいた。
“抱っこ”と甘えてくるのも、きっと寂しいからなのだろう。17歳の人間と考えると問題はある気もするが……
ルーチェは布団の中で身体を丸めて自分を抱きしめるようにした。ジュストに八つ当たりしてしまった自分が情けなくて鼻の奥がツンとする。
「……っ」
ルーチェは頬を伝う涙をパジャマの袖で拭って起き上がった。部屋の隅に置いてあるジュストのためのベッド――赤ちゃん用の揺りかご――が空っぽなのを見て、ギュッと胸が痛くなる。
――『一緒に寝るのもやめるし、僕のこと嫌いになったんでしょ!』
ジュストは朝になるといつもルーチェのベッドにもぐりこんでいて、ルーチェは毎朝ジュストを怒っていた。ルーチェに嫌われたと思うのは、無理ないのかもしれない。
「違うよ……」
ジュストのことが嫌いなわけではない。人間の姿は見たことがないけれど、ジュストがネコではないと――男の子だと――知って、どうしていいかわからないだけなのだ。