金色のネコは海を泳ぐ
ルーチェが部屋のドアを開け、ジュストもルーチェの鞄を持って後をついて来たようで部屋に入ってきた。

「あのね、ルーチェがいない間に僕は婿修行をいっぱいしたよ」
「そう……」

ニッコリ笑うジュストを横目で見てベッドに横になろうとして、綺麗に畳んでそこに置いてある洋服たちに気づく。

ルーチェの身体が固まって、ジュストは首を傾げた。そしてルーチェの視線を辿って納得したように頷いてベッドへ座る。

「あ!これもね、僕が洗って、乾かして、畳んだの」

褒めて欲しそうなジュストだが、ルーチェは拳を握ってわなわなと震えた。

洋服は良い。だが……

「ねぇ、このお花のやつ可愛いね。ルーチェ、これいつ着たの?僕、見たことないよ」
「あっ、ああぁぁぁっ当たり前でしょ!」

ジュストが紐をつまんでまじまじと観察しているそれは、ルーチェの下着。ルーチェは勢い良くジュストの手からそれをひったくった。

ブリジッタもブリジッタだ!どうして娘の下着まで、ジュストに洗わせるのだ!?

ジュストはルーチェの怒りの理由がわからない様子でルーチェを上目遣いに見つめてくる。

「も、もうっ、いいから!私、着替えるから出てって!」
「着替えるなら、それ着てよ。ルーチェ、きっと似合うよ。僕、見たい」
「だああぁぁぁぁあ!バカジュスト!」

わかっていないところが余計に性質悪い。

ルーチェは思いきりジュストの腕を引っ張って、部屋の外へと追い出した。
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