金色のネコは海を泳ぐ
「これは大切なものなの!」
「にゃー!にゃー!」

“それだ”と言わんばかりに――YESだと思われる鳴き方で――鳴くオロは前足を浮かせてバタバタさせた。写真集を見たいようだ。

ルーチェはため息をついて、ベッドに腰掛けて膝の上でそれを広げた。

視線で呼ぶと、オロは満足したように喉をゴロゴロ鳴らしてルーチェの隣に座った。ルーチェはその頭をそっと撫でてから表紙をめくる。

マーレ王国の海の風景がたくさん載っているその写真集は、去年の誕生日に買ってもらったものだ。

「これが見たかったの?」
「にゃー」
「そっか……」

そういえば最近、研修と自主鍛錬でこの写真集を開いていなかった。

オロの返事に、ルーチェは彼を抱き上げて自分の腿に乗せた。オロはルーチェを見上げてその琥珀色の瞳にルーチェを映した。

「ほら、見るでしょ?」

ルーチェは静かにゆっくり1ページずついろいろな表情の海を眺めた。オロも写真集に視線を戻し、熱心に写真を見始める。
< 23 / 268 >

この作品をシェア

pagetop