金色のネコは海を泳ぐ
「ちょっと、お姉ちゃん。うるさいよ!」

ルーチェの叫び声を聞いたアリーチェが耳を塞ぎながら部屋に入ってくる。

「ア、アリーチェ!あ、あのね!オロが、黄色で、ネコ!ネコがっ――」
「はぁ?」

訳のわからないルーチェの言葉にアリーチェは眉を顰めた。

「オロは茶色ときどき金色のネコ」
「違うの!オロが電気を流したの!」

ルーチェがそう言うと、アリーチェはますます呆れた顔になった。

「お姉ちゃんは鍛錬のしすぎで頭がおかしくなった、と」

1人解説をするアリーチェにイライラが募る。

違うのだ。今のは絶対にオロがやった。そういえば、オロに指を噛まれたときもピリッとしたし、海で転んだ時だって電流みたいな痛みに驚いたからだった。

「もう……またチャクラの使いすぎなんでしょ?大人しく寝てなよ。それにさ、叫ぶなら叫ぶで、もう少し可愛く叫んだほうがいいよ。百年の恋も冷めるレベルだったわ」

アリーチェは肩を竦めて言うと、サッサと自分の部屋へ戻っていってしまった。ルーチェは唇を尖らせる。

「大きなお世話よ!」

人間、本当に驚いたり痛かったりするときは「きゃー(はーと)」なんて可愛い声は出せないと思う。そんなものは恋人と肝試しでもするときに使えばいいのだ。
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