金色のネコは海を泳ぐ
「まったくもう!」

ルーチェはブツブツと文句を言いながらベッドから降りてボールを拾った。

黄色は先ほどより薄くなってきている。

やっと思い出した。このボールはルーチェやアリーチェが小さい頃よく遊んでいた子供用の玩具だ。チャクラに反応して色が変わるため、幼児教育にも使われる。

「オロ、一体どういうことなの!?」

ルーチェは再びオロに視線を戻した。ベッドでゴロゴロとしていたオロは「にゃう?」ととぼけたような声を出す。

「これはチャクラに反応して色が変わる玩具だよ。貴方、呪文を使えるの?」
「にゃぁん」

オロは自分の前足をペロリと舐めて、首を傾げた。

「むぅ、とぼけるつもりなのね?」
「にゃっ、にゃっ」

ルーチェの問いには答える気がないらしく、オロはまた前足を掻いて踊った――何かを伝えようとした。

「ボールを使えってことなの?」
「にゃー」

ルーチェは手の平のボールに視線を落とした。色はなくなって、透明に戻っている。

「……わかったわよ。明日の鍛錬からね?」

このボールはチャクラの濃さが色の濃さになって表れる。それ故に、オロはルーチェに使わせたいのだろう。

見えないままではわかりづらいが、このボールを使えば自分のチャクラの濃さが一目瞭然だ。波長を弱いままボールにチャクラを入れ、濃さを調節する鍛錬にはピッタリである。
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