金色のネコは海を泳ぐ
数日後。

ルーチェはオロからもらったボールを使って鍛錬をしていた。

頭ではわかっていても実際にやるとなると勝手が違い、なかなかうまく行かない。ルーチェは自分の手の中で青く染まるボールを穴が開くほど見つめた。

少しは濃い青色になってきた……気がする。いや、そう思わないとやっていられない。

「あら?ルーチェ、なんで貴女がそれを使っているのよ?」

研修室に差し入れに来てくれたらしいブリジッタが、紅茶とクッキーの乗ったトレーを机に置いた。

「んー、オロがくれた」
「あぁ……それで、あの子が欲しがっていたのねぇ」

その言葉に顔を上げると、ブリジッタはニコニコと笑顔だ。

ブリジッタが物置の整理をしていたときに、娘たちの玩具を処分しようとしたらオロがボールを妙に気に入って、あげたらしい。

「とっても賢い子よねぇ?ルーチェが卒業試験に受かったのもあの子のおかげだし」

まぁ……確かに、オロのおかげでクラドールとして急成長を遂げているルーチェだが、それなりに対価を支払っているのだ。骨折も、痛かったし。

「ねぇ、お母さん。ネコって呪文を使えるの?」
「ネコが?うーん、そういう話は聞いたことないわねぇ。見たこともないし」

ルーチェも見たことはなかった。それも昨日までの話ではあるが……

「でも、オロは黄色のチャクラを使うのよ」

そう言うと、ブリジッタは一瞬ルーチェの顔を見て……プッと噴き出した。
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