金色のネコは海を泳ぐ
ネコがこんなに綺麗な瞳を持っているとは知らなかった。

それとも、オロが特別なのだろうか?海を泳いでいたり、輝く毛や琥珀色の澄んだ瞳を持っていたり。

「オロ、貴方……どこから来たの?」

まさか本当に海から来たわけではあるまい。

「にゃぁん」

すると、オロはひょいっと窓際の机に飛び乗って、しきりに窓を引っかくように前足を動かす。ルーチェも窓に近寄って外を見た。

「にゃ、にゃっ」
「うーん?」

ルーチェにはオロの伝えたいことがいまいちわからない。彼が指(手?)差す方を見ても、青空と輝く太陽が見えるだけ。

「遠くから来たんだね」

とりあえず、そう言ってみる。

「にゃぁ」

適当に返事をしたことがバレたのか、オロはじろりとルーチェを見る。

「だって……あ、ねぇ、休憩にするからオロも行こう?お昼ご飯だよ」

あはは、と笑ってルーチェはオロを抱きかかえた。オロは昼食にありつくまで「にゃぁ」と鳴き続けていた。
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