金色のネコは海を泳ぐ
――テオは大きく息を吐いて椅子に腰を下ろした。

「テオ」

ルーチェに似た、しかし彼女より少し高い声に振り向くと、ドアのところに明るい茶色のネコを抱いたアリーチェが立っていた。

「やぁ、アリーチェ」
「ごめんね……お姉ちゃん、めちゃくちゃ鈍感で」

アリーチェは申し訳なさそうにテオに頭を下げた。

先ほど失敗した告白はしっかりと聞かれていたようだ。

「アリーチェが気にすることじゃないよ。やっぱり、俺の伝え方も悪いのかもしれないし……あ、ネコ、飼い始めたんだね?」
「うん。オロっていうの。お姉ちゃんが拾ってきたんだけど」

光の加減なのか、金色のように見える毛もあって不思議な色だ。瞳の色も琥珀色で吸い込まれそう、というか……

「俺、嫌われてる?」

なんだか睨まれているような気がしないでもない。余所者だから、とか……?

「にゃぁん!」
「わっ、オロ!?」

オロはテオに向かって吠えるように鳴いてアリーチェの腕から飛び降りた。そしてドアの隙間から出て行ってしまう。
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