キミの風を感じて
「じゃあ俺らも行くわ」
「うん」
夢崎さんも坂田と別れてそれに続く。
坂田にうながされてんのに黙って突っ立っている高梨は、2Aの教室の中をまだ眺めていた。
「なぁ涼、紗百ってあんなに可愛かったっけ?」
は?
「お前なー、フッたんじゃねーのかよ、紗百のこと」と坂田。
「うん、まぁ。けど、赤い顔して走ってて……可愛いーなぁとか、今思った」
えっ?
「ただのフワフワした天然少女かと思ってたけど」
「あー、案外しっかりしたとこもあるかもな」
「がんばってるし」
「おい俊介、紗百は彩花の友だちだからな。軽いノリでちょっかいかけんなよ」
「はいよー」
…………。
なんて返事したわりに、高梨は2Aの教室をまだ真顔で見つめていた。