ダブルスウィッチ
(……私のこと?)


彩子はそれでも疑ぐり深い目を向けて、えみりを探るように見た。


「あなたと亮介さんの結婚生活って、おかしいと思うんです

なんでそんなに亮介さんに従順なんですか?

そうしないと離婚されるからですか?

でも亮介さんは絶対に離婚はしないって、私に最初に釘を指しました

だから私はずっとあなたは愛されてるんだって……そう思ってたんです」


だからなに?と彩子は思う。


この子になにがわかるっていうんだろう?と。


「今は違うって、言いたそうね?」


それでも彩子は気丈にそう言い返す。


「少なくとも今朝、亮介さんと接してみて違和感を覚えました

あなたたちは普通の夫婦とは何かが違ってる」


ふ……と苦笑混じりの吐息と共に、彩子に諦めにも似た感情がわいてくる。


この子は体感しているのだ。


端から見たのではわからない本質を自ら。


彩子は自分でも不思議だった。


この子になら、話してもいいかもしれないと思ってる自分に……


「そうね?違うのかもしれないわ……

もっとも普通の夫婦がどんなものか、私にはわからないけど」


< 167 / 273 >

この作品をシェア

pagetop