ダブルスウィッチ
「嫌がらせ?」


思わずえみりは眉間にシワを寄せる。


嫌がらせをしたつもりはない。


なにをもって嫌がらせだなんて言うんだろう?と。


「わざと俺の嫌いな朝食を出したり、勝手に外泊して朝帰りしたり、嫌がらせなんだろう?」


浮気がバレて開き直ったのか、亮介はそう言いながらゆっくりとソファーに腰かけた。


「嫌がらせしたつもりはないわ?

それより、謝らないのね?浮気したこと」


頑張って作った朝食を、嫌がらせなどと言われてはえみりもたまったものじゃない。


それに話をすり替えようとしている気がして、えみりはイラついていた。


「悪かった……

でも、契約をきちんと守ってさえくれるなら、俺はお前も誰かと浮気したとしても責めない」


えみりは体が震えた。


この人は、彩子のことを少しも愛していないのかもしれないと、悲しい気持ちになる。


「もし、そんな人が出来たら、私はあなたと別れてその人と一緒になるわ?

バカにしないで!」


あくまでも彩子のことは体裁として置いておきたいのだ。


そしてえみりのことも、飽きるまでは別れるつもりはないと、そう言われてる気がした。


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