ひとつ、ベッドの中
あたしは首を振る。

こんなときに、そんな強気な言葉は要らない。


「あたし、香澄さんに謝りに行く。凌ちゃんにとってあたしはそんな対象じゃないから誤解しないでってちゃんと話す。もう一度、凌ちゃんの話を聞いてもらうように言ってくるから!」


あたし達は誰が何と言おうと、男女の仲では決してないって。


だって、事実そうなんだから――





「待てよ」


走り出そうとしたあたしを、強い声が引き留めた。




「違うって、言ったら……?」




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