ひとつ、ベッドの中
「凌ちゃん…なんであんなこと言ったの……」
宏太君が去った教室。
ゆっくり凌ちゃんに歩み寄る。
得意の、笑えない冗談…?
潤んだ目で見た凌ちゃんは、その輪郭が分からない程。
「詩織……」
甘く、優しい声。
「凌ちゃん……」
そんな、恋人を呼ぶような声で呼ばないでよ。
宏太君と付き合えって言ったのは凌ちゃん。
そしてあたしは今、宏太君と付き合っている。
それが、事実。
なのにどうして今更……。