ひとつ、ベッドの中
「今はもう吹っ切れたみたい」

「そう……安心した」


少しだけ、心が軽くなる。


「詩織が責任感じることなんて、一つもないから。…ただ、それを聞いて平気でいられるやつなんていないと思うんだ。相手を好きであればあるほど。…理屈じゃ、ないんだ」

「……うん」

「本当は、俺も頭ん中、真っ白になった……」


本音を口にする宏太君も、どこか吹っ切れたようにあたしを見た。


あたしは静かにうなずく。

< 261 / 423 >

この作品をシェア

pagetop