ひとつ、ベッドの中
「……詩織」


凌ちゃんは軽く溜息を吐き、


「座りな」


諦めたように、ベッドを指した。


凌ちゃんは、鏡台の上に腰を乗せた。




「凌ちゃん……」


久しぶりに凌ちゃんの瞳に映った気がして。


それだけで涙が出てくる。


「どうして泣いてるの?」


凌ちゃんを困らせるだけだって分かってるのに。


< 313 / 423 >

この作品をシェア

pagetop