ひとつ、ベッドの中
凌ちゃんは決して他人じゃないから。


あたしの傷を一緒に請け負ってきてくれた凌ちゃんだから。


「どうして話してくれなかったの?」


あたしの問いかけに、ハッと目を見張る凌ちゃん。



「お母さんから偶然聞いちゃったの。凌ちゃんちの、話……」


青ざめていく凌ちゃんを見て、必死に隠してきた想いを汲む。


あたしが知ってはいけないことだったのかもしれない。



それでも、知ってしまった現実は覆らないから。




息をのんで、凌ちゃんの言葉を待った。



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