ひとつ、ベッドの中
「話そうと思った。話したらどんなに楽かと思った。でも言えなかった」


ゆっくり、あたしの肩を下げてベッドへ座らせる。


「詩織は、俺の家にすごく憧れを持っていたから。俺を頼ってくれているのは、幸せな家庭で育ったから……。本当のことを話したら、詩織が離れていく気がして」


隣に凌ちゃんが座る。


「そんなこと、あるわけないのに」


どんな環境で育った凌ちゃんだって、きっと大好きだった。


あたしは“凌ちゃん”が好きなのだから。

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