ラララ吉祥寺

「まぁ、インフルエンザにしてはちょっと時期が早いですかね」

「ただの風邪だと良いけど」

「俊一にうつったかもね……」

「ま、様子見ですね。考えても仕方ない」

「じゃ、わたしは今日は早めに帰ります」

「そうだね」

いつも遊びに来た時は夕飯も一緒に食べていく芽衣さんだけど、この日は早々に俊一君を連れて帰っていった。

「今日は鍋にしましょうか」

「ですね。拓馬君には、それでおじやを作ってあげましょう」

わたしは拓馬君の様子が気になったけど、多分彼は寝ているだろうし。

早目に夕食を済ませて、食後に様子を見に行った方が良いだろう。

「小さな子供じゃないんだし、そんなに大げさに心配することはありませんよ」

わたしの気持ちを察してか、木島さんも夕食の支度を手伝ってくれる。

「大丈夫、寝れば直りますよ。ああ見えて結構緊張していたのかもしれないなぁ〜、神経的なものかもしれませんね」

張り詰めていた緊張が一気に緩んだ、ということだろうか。
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