嘘、鬼よ。













「吐け…」



まただ。
今日も、拷問。



毎日毎日、拷問拷問拷問拷問拷問!!


いつになったらこの呪縛から放たれるんだよっ!!



「仲間の居場所は何処だ。」





ぎゃあぎゃあ騒がないな、こいつ。


だが、それがさらに恐怖をあおられる…




静かに良い放つ言葉のそれぞれが重みを帯びていて、静かなのに、勢いがある。





こいつ、確か齊藤と呼ばれていたな…

齊藤一か、ほんっと何て言うか、キャラ濃っ!



こんなのんきなこと考えてるのは、やっぱり頭がおかしくなったからかな。




大体、交代立ったりするときにお互い呼びあってる名で、どの人がどの人か、予想はついた。

わからない人もいたが。





「お前、切りつけられてるのに、痛くないのか?」


久しぶりに、長州のこと以外の質問をされたな…

「痛い。痛いさ。
けどもう、慣れちゃったよ。
慣れって怖いな。
痛いのに、最近痛感がなくなってきているような気もしていた。
毎日毎日同じようなことされて、拷問がマンネリ化してきたんだ。
面白いよな。どこの世界でも、拷問がマンネリ化するなんて誰も言わないだろうに…」



「まんねり…か?」


「マンネリズムっ。
慣れてしまって、新鮮味がないこと。
馴染んじゃったり、当たり前に霞んできちゃうこと。」




あー、過去の人間に何こんなこと教えてんだろ…?

本当にもうおかしくなってる。



早く殺して。









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