週末シンデレラ


わたしの言葉を聞いて、麻子は息をつく気配があるものの、黙り込んでいた。

「麻子?」
『ううん……ちょっと驚いた……っていうか、感動してるのかな。高校のときから仲良くしてるけど、詩織から恋愛の話を聞くのって初めてだから』
「あ、そうだね……今まで、こういうこととは無縁だと思ってたから」

縁がないと思っていたからこそ、周りの男性を恋愛対象で見たこともなかった。

彼氏がほしいと思い始めても、どうしたら好きな人ができるのか、それさえよくわからなかった。

高校のときからわたしの友達でいた麻子は、それをよく知っている。

私の言葉に「そうだったよね」と納得し、続けて口を開いた。

『でも……もしかしたら、都筑さんもそうなのかも』
「え、どういうこと?」
『一也が「征一郎にはトラウマがある」って言ってて。詳しくは聞いてないんだけど、今まで恋愛に乗り気じゃなかったのはそれが理由らしいの』

トラウマというのは、前に一也さんと話をしていたときに聞いた“五年前”のことかもしれない。

なにがあったのか、気になる……。

詮索してもいいものか迷っていると、麻子は話を続けた。


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