週末シンデレラ


『だから、その都筑さんが惹かれている“カオリ”って、やっぱり彼の中ではきっと、ものすごく特別なんだよね。本当は、すぐそばにいる“加藤詩織”なのに』
「うん……」

嬉しいような寂しいような、複雑な気持ちが押し寄せる。わたしが黙っていると。

『案外、“カオリ”の正体をバラしても平気かもね』

麻子がポツリと漏らした。

「そ、そんなわけないよっ」
『だって、都筑さんって外見で人を好きになるとは思えないもん』
「あー……それは、わかるけど」

会社には美人な人が多いし、武田さん含め、係長にアピールした人もたくさんいると思う。

だけど、浮いた話を聞かないということは、相手にしなかったということだ。

『中身は同じ詩織なんだからさ。それに“カオリ”がトラウマを克服させて、そのあと詩織として向き合ってもいいかも』
「そ、そんなこと……できるかな?」

でも、わたしにできることがあるなら……。


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