週末シンデレラ
* * *
月曜日。出勤すると、係長は給料日が近いので忙しいはずだというのに、心なしか楽しそうに仕事をしていた。
そういう姿が見えるから、余計に想いが強くなっちゃうんだよね……。
ため息をついて書類をまとめていると、美穂が慌てた様子でこちらにやってきた。
「詩織、大変っ。ちょっと、こっちに来て」
「え……み、美穂?」
美穂に腕を引かれ、そのまま給湯室の近くまでやってくる。
人差し指を唇に当てて「シーッ」と合図を送ってくるので、わたしは身を潜めて、給湯室のすぐそばで耳をそばだてた。
「えー、それホントなの?」
なにかを疑うような女性の声が聞こえる。
おそらく、武田さんと同期である経理課の人だ。よく、武田さんのところへやってきて話をしているので、声を覚えている。
「ホントよ! わたし、見たんだからっ」
続いて聞こえてきたのは、鼻にかかった声。
こっちは武田さんだ。あれ? この声、どっかで聞いたような……。
記憶をさかのぼっていると。
「都筑係長が、女の人とご飯食べに来たんだって」
胸がドキリとすくみあがる。
もしかして、あのお店で……!
係長と食事に行った場所で合コンをしていた。そこに、武田さんはいたのだ。