週末シンデレラ


あそこでいつもテレビ見てるのかな……じゃあ、もうひとつは寝室……ん?

ふたつある部屋のうち、ひとつは扉が開いていて、テレビとソファが見えた。けれど、もうひとつは閉じられている。

しかも、ドアの隙間から白い布が出ていて、思わず食い入るように見てしまっていた。

「スリッパはないけど、タオルなら何枚でもあるから遠慮なく使ってくれ。ちゃんと洗濯もしている……あっ」

洗面所のほうから、タオルを持って戻ってきた係長は、わたしの視線のさきに気づき、慌ててその前に立った。

「こ、これは……昨日の服を脱ぎっぱなしにしていたから、さっきこの部屋に放り込んで……って、そんなことはどうでもいいな。早く身体を拭いたほうがいい」
「た……助かります。あ、洗面所をお借りしていいですか?」
「ああ、もちろん。それに、カオリさんが気にしなければ、シャワーと乾燥機を使ったらいい。俺のものでよければ、ジャージを用意するから」
「ありがとうございます」

わたしは係長からタオルを受け取ると、洗面所へ入った。


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