週末シンデレラ


本来の予定では、意気込み通り、定時までに仕上げられるはずだった。

だけど、まだ残っていた自分の仕事を片づけたり、ほかの人からも仕事を頼まれたりしているうちに、気がつけば定時を一時間すぎていた。

それでもまだ、計算書はできあがっていない。

なぜか今回に限って、退職者や引っ越しをした人がいて、通常とは違う計算をしなくてはいけないことが多いのだ。

も、もしかして武田さん……こうなることがわかっていて、今日休んだんじゃ……。

それなら金曜日に、べつの仕事じゃなくて、こっちを渡してくれればよかったのに。

本当に体調不良かもしれないのに、これまで仕事を押しつけられてきた経験から、つい疑ってしまう。

一刻でも早く計算書を仕上げようと手を進めていると、帰り支度を整えた総務課長がこちらに歩み寄ってきた。

「加藤さん。悪いんだけど……今日はちょっと帰らなくちゃいけなくて」
「え……でも、課長が帰られたら、誰にチェックをもらえばいいんですか?」
「今回はイレギュラーということで、都筑くんにお願いしているから。彼なら細かく見てくれるだろうし」
「わかりました……お疲れさまです」

規則や態度がゆるいとは思っていたけど、ここまで無責任だなんて。


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