週末シンデレラ
……まぁ、都筑係長のほうが頼りになるけれど。
呆れながら事務室から出ていく課長を見送っていると。
「まだできないのか?」
向かいの経理課から、係長の声が飛んできた。
責めているような口調に、疲れてだれていた身体がピリリと引き締まる。
「す、すみません。もう少しで……」
「今日はもういいから、きみも帰ったらどうだ。明日、武田さんが出勤したら、彼女にしてもらう」
「なっ……わ、わたしにもできます! ちゃんと今日中に仕上げますから」
突っぱねるような言い方に、わたしにはできないと言われているような気がして、ムキになって言い返してしまう。
そもそも「遅れは許されない」、「今日中に仕上げてくれ」と言ったのは係長だ。
「無理はしなくていい」
「無理じゃありませんっ」
わたしが係長に構わず計算書の作成に取りかかると、彼はそれ以上なにも言わなかった。