隣に座っていいですか?
「いくちゃんママ」
夕食が終わり
洗い物をしようと思っていたら
小さな手が私を引っ張る。
どうした?
「いくちゃんママ。きょうもかえるの?」
不安そうな声が引っ掛かる。
ご飯前から元気がない
夕方
お母さんに会えたけど
これから会えない予感が強いのか、寂しいんだろう。
捨てられた子犬顔だよ。
負けそう。
「お着替えもないし。帰ろうかと思ってたんだけど、泊まってほしいかな?」
そう言うと
桜ちゃんは「うん!」と大きな返事。
期待した目が輝いてる。
負けました。
「お父さん。いくちゃんとまってくれるって。やったぁ!」
「そうか。よかったね。やったぁだね」
2人で大喜びしてる
嬉しい……けど
ちょっと
大人だから考えてしまう。
「いくちゃんママ。さくらとおふろに入ろう」
「りょーかい」
返事をすると
桜ちゃんはピョンピョン飛び跳ねていた。
えい
ここで
大人の関係に田辺さんとなっても
別にいいかっ!
やけに気合が入り込む私だった。