隣に座っていいですか?

涙をごまかし
「ただいまー」って田辺家に入ると、桜ちゃんがバスタオル一枚でお出迎え。

セクシィだぜ幼稚園児。

「おふろ!」

「はいはい」

桜ちゃんとふたりで長風呂
アニメの曲を歌いまくり
少々のぼせてます。

お風呂上りにアイスを食べて
桜ちゃんの部屋に行き
絵本を読み聞かせ
話をしていたと思ったら

コロリと寝てしまった。

「おやすみなさい」
柔らかい頬を触り
クマちゃんを傍に置き
電気を消して廊下に出ると

「郁美さんどこで寝ます?」
田辺さんが布団を持ってウロウロしていた。

「桜の部屋でもよかったですね。失敗した」

え?
あの……肉食系では?

「下の方がいいです?リビングの続きの洋室にしましょうか。三階は寒いし物がいっぱいですし、やっぱり二階のゲストルームがいいですよね」
ひとりでブツブツ言って
桜ちゃんの隣の部屋の扉を足で開け、布団を入れる。

8畳ほどの部屋
薄いブルーを基調としていて
カーテンが桜ちゃんの部屋とおそろい。

ここも
子供部屋だったのかな。

家具も何もない
広い部屋の真ん中に
田辺さんは布団を敷いている。

「向いの部屋が僕の仕事部屋で、今夜は仕事が詰まっていてずっと起きてるので、何か用があれば言って下さい」

業務連絡みたい。

「寒かったら暖房入れて、毛布もまだあります。ではおやすみなさい」

やっぱり業務連絡だ。

背中を向け
自分の部屋に戻ってしまった

まだ

10時前なんですけど。
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