隣に座っていいですか?
「たっ……達也?」
しまった
イントネーションがおかしかったかも
ってゆーか
隣からの朝帰りバレた?

おそるおそる振り返ると
達也はTシャツにジーンズ姿
手にはコンビニのビニール袋。
ちょっと驚いた顔で私の傍に寄る。

「どうした?」

「そっ、そっちこそ」

「いや。俺はさっき起きて、朝ごはん買いに行ってきた。そろそろ帰って来るけどな」

「うん。そうだね」
無駄な笑顔を見せてしまう。

「お前は?」

「私?」

「化粧もせず髪もボサボサだぞ」

そーいえば
昨夜
寝る前に呼ばれたから
しっかりノーメイクだったよ私。
うわっ恥ずかしい。
反射的に頬に手を当てると

「何をいまさら」
笑われた。

「だよね」

「何かあったのか?」

「え?」
心臓ドキリ。

「顔色悪い」

もっとドキリ。

「悪い夢でも見たか?」
達也の手が私の頬をつまむ。

「痛いって」

「失敗した」

「何よ」

「お互いの親がいない最大のチャンスを生かせなかった」

「バカみたい。昨日どうせ飲み会だったんでしょう」

「飲み会より郁美と過ごせばよかった」

「よく言うよ」
笑うと私の頬をつまんでいた手が開き、優しく今度は触れてくる。

「本気」

頬が熱い。
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