隣に座っていいですか?


そんなこんなで
心の中をモヤモヤさせ
桜ちゃんの様態を気にかけながら、普通の日々に戻っていると

「こんにちはぁ」

お店の扉が開き
元気な可愛い声が聞こえた。

「桜ちゃん」
お客さんが混み合う前の平和な時間、桜ちゃんが現れ私の姿を見たとたん走って抱きついてきた。

「熱下がった?」

「うん」

「よかったねー」

よかった
元気になってよかった。
私もぎゅーっと抱き返していると、耳元でこっそり声を出す。

「いくちゃんがさくらをかんびょうしてくれたから、さくらはおねつが下がりました。いくちゃんありがとう」

「いいんだよ」
あぁ可愛い。

「お父さんに言われました」

「何を?」

「『いくちゃんがさくらのお家にきて、かんびょうしたお話はないしょだよ』って」

そうか……。

「ないしょにしないと、うちゅうじんが来て、いくちゃんをさらってしまうんでしょう」

ん?

「だから、さくらはだれにも言わないからね」

こっそり内緒のお話。
女の子は内緒が大好き

宇宙人にさらわれる……発想力がないな。

まぁいいか。
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