君への一言を…


良。


弓道は得意分野になっていて、
的の中心に当たらない日はないくらい。

袴を着て、
髪をポニーテールにくくって、
人差し指をたて、
風の方向、秒速に合わせて、
位置の調整。

そして、矢を射る。


良。

「フーッ…」

周りからの歓声…
けれど私にとってそれはうるさいだけのもので、
けれどそれでも笑って返す。

私の顔がキモくて倒れる女子たち…
とか、天然ちゃんは言うのだろう。

けれど私は、
私の姿、形がキモいから、
遠慮とか、慈悲でやってくれているんだと
知っている。

「お見事。」

そこにたっていたのは、
袴姿の生徒会会計。



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