赤き月の調べ
親友とも言えるリマの性格は、よく知っている。
この不気味な電話には嫌な予感しかしない。
「それで、どうしたの? わざわざ店の電話にかけてくるなんて」
「ちょっと確認のためにね。店に届いてない? 大きい割りに、軽い荷物なんだけど」
「ああ、それなら……」
希空は、まだ開けていない段ボールを見た。
「届いてるよ」
「よかった! 開けてみて」
「え! 開けちゃっていいの?」
「うん。だって、希空へのプレゼントだもん」
そう言われて、ガムテープを剥がしていた手が止まった。
もしかしたら、聞き間違えかもしれないという、期待を胸に――。
「いま……なんて言った?」
思わず聞き返した。