赤き月の調べ


「ようやく捕まえたぜ、お嬢ちゃん」


 背中に冷たい体が当たり、恐怖で悲鳴を上げたかったが、悲鳴は喉に張り付いて出ない。


 せっかくリマがくれたプレゼントが、地面に落ちた。


 店から出た時には誰も居なかったし、気配すらしなかった。もしも不審者がいたとしたら、防犯カメラに映り警備員が来たはずだ。


「おい、本当にそいつか? 写真と違うぞ」


「いいや、間違いない。どうせコンタクトでごまかしてんだろ」


 力ずくで体を返され、ビルの壁に背中を叩きつけれた。痛みで涙が浮かぶ目を開けてみると、首を押さえつけている男のほかに、後ろに二人の男がいる。


 見た目は二十代の前半くらいで、服装もカジュアルだ。不良グループと言われればそうなんだろうが、なにかが違う。


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