noir papillon


隣からの冷え切った視線に気づきながらもヘラヘラと笑ってみせるカナメは大きく伸びをする。




 「悪いと思ってるよ。何の罪も無い君達を巻き込んでしまった事。こんな危険にさらせてしまった事。全てにおいて悪いと思ってる。どんなに謝っても、謝りきれない事位分かってるつもりだ」


 「何でお前が謝るんだよ。事の発端は柴架だ。カナメは別に関係無いだろ?」


 「全く関係無いとは言えないな。むしろ関係大有りって所だよ」


カナメの言葉に首を傾げるハル。

どこか悲しそうにフッと笑ったカナメはハルの疑問に答えるべく口を開く。




 「柴架は俺の家族。血を分けた姉弟。俺の姉なんだ。だから俺には、身内の罪を償う責任がある」


風が止み音が消える。

遠くを見つめるカナメは1つ息を吐く。










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