noir papillon

　「…な……今、何て……？」


　「だーかーらー、柴架は俺の姉なんだって。Tu vois ?(分かる？)」


動揺するハルに対し馬鹿にしたような言い方をするカナメ。


内心苛立ちを覚えたが言葉には出さず、理解はしていると何度も頭を縦に振る。




　「彼女を止める事。それが俺に課せられた使命であり定め。それでしか俺は──」


何かを言いかけたカナメだが、ハッとした彼は口を閉ざし言葉を止める。


そんな彼の様子に首を傾げるハルは立ち上がった彼を不思議そうに見上げた。




　「さてと、無駄話もそこそこにして、特訓の続きといきますか」


　「へ……？嫌、もう少し休んでもいいんじゃないですかねぇ、カナメさん」


カナメの言葉に顔をひきつらせるハルは提案するが、その願いは叶えられる事は無い。


さぁ始めるぞと指を鳴らすと、ハルの身体は宙に浮いた。