桜涙


  愛ちゃんは着物屋さんを初めて来たかのように見渡していた。


  「可愛い着物がいっぱいありますね」

  
  愛ちゃんは店内にあった沢山の着物をみていた。


  「愛ちゃんも何か気に入った物があったら着てみてはどうですか?」



  愛ちゃんは見着物を置いて


  「い、いえ、私はこういうの似合わないですし…」


  と言った。


  愛ちゃんはやっぱりどこか普通の子とは違っている気がした…

  この辺りに住んでいる若い子達は男の人と一緒に来て、着物を着てどう?と聞いている。

  
  愛ちゃんは薄ピンクで綺麗というよりも可愛らしい感じの着物を見ていた。


 「沖田さんー!」


 誰かが名前を呼んでいるのが聞こえた。

 
 私は道に出てみると藤堂さんが声をあげて歩いていた。


 「藤堂さん、ここです。」

 
 藤堂さんは私の方に小走りしてやってきた。

 
 藤堂さんは手に何か封筒を持っていた。


 「どうしたのですか?」


 藤堂さんは持っていた封筒を差し出した。

 
 「これ、近藤さんがあの少女のために何か買ってやったらどうだって言って渡してきてくださいって言われたので持ってきました。」

 
 私はその封筒を受け取り中を開けてみた。


 封筒の中身はお金だった。


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