海底の王国〈外伝〉

「…まさか…その解除呪文を使って、この状況を何とかしようとゆ〜んじゃないでしょうね〜？」

「当たり〜！！」

「当たりって…レンリ、あなた本気で言ってるの？！」

「何もしないより、やる価値はあると思うよ〜」

レンリがそう言って、呪文が書かれたメモ用紙をフレイヤに手渡した。
そこには見た事もない古代文字が、訳付きで書き写されていた。

「ほう…こんな物が出てくるとは…良く見つけたのう、若いの…」

突然会話に入って来たのは、白いひげを長く伸ばした老人だった。

「大賢者ライク・ミューラー殿？！ご存命でしたか…お亡くなりになったと聞いていましたが…」

魔法士にとっては超有名人らしく、レンリは感激して話しかけた。

「ほーっほっほ…勝手に死んだ事にされていたみたいじゃのう…」

「ライク殿は法王によって、あの監獄に監禁されていたのです…」

ロランが事情を説明した。