海底の王国〈外伝〉
「わ、分かったわよ〜みんなでやるわよ?呪文覚えて!」

魔法士たちに呪文が書かれた紙を回し終えた頃、海水が岩山の上まで上がって来ていた。

下にいた人たちは、容赦なく津波に飲まれ…フレイヤたちは、悲鳴も言えず消えて行く姿を、なすすべもなく見ている事しか出来なかった…

「…おさえて、フレイヤ…まだ間に合う…ギリギリまで我慢して…」

レンリが、今にも呪文を唱えようとするフレイヤを押しとどめた。

「…分かっているわよ…」

グッと、フレイヤはこぶしを握りしめると、足元に近づいて来た海水をにらみつけた。
早過ぎても、遅すぎてもいけない…

そして…フレイヤは大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐き出すと目を閉じた。

「…行きます…!」
「はい…!」

魔法士たちはフレイヤの呪文の後について、唱えはじめた…



長い呪文を最後まで唱える事が出来たのは、結局フレイヤ一人だけだった…
なぜなら…海水が岩山の上をはるかに越え、全てを飲み込んでしまったからだ…

フレイヤは薄れ行く意識の中、解除呪文を唱えつづけるのだった…
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