吸血鬼は淫らな舞台を見る


「DNA?洗面所にいけば晋吾さんのブラシに髪の毛がついていると思いますけど、血がついてないと駄目なんですか?」

 由貴は腑に落ちない様子で眉毛を八の字にさせる。


「警察の手続きの関係で血液がついたものがあれば迅速に事を進められるんです」

 サトウが押し切る感じで納得させ、晋吾が大半の時間を過ごしているという2階の書斎へ案内してもらうことにした。


 2階の廊下から1階のリビングが見下ろせた。


 階段を上っているとき、サトウは原田に耳打ちして由貴を書斎から遠ざけることを命じた。


 原田は一瞬困った顔をしたが、なにか名案でも浮かんだのか書斎に入る間際に大きくうなずいた。
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