上司と上手につきあう方法【完結】

「考えとく」



時計、本当にあるんだろうか、なんて今更考えるのは不毛だろうか……。


結局見つからないまま彼のマンションを出たのはそれから一時間後。

自分の部屋について、そういえば「本を借りに」行ったはずなのに、手ぶらだったことに気付いて、余計朝陽の考えていることがわからなくなった。




――――……


結局、行こうかどうか迷った土曜日も、午後から朝陽の家に行き、部屋の掃除の手伝いをしつつ、時計探しをやった。


どうして朝陽の部屋に行くのか。それはもう意地みたいなものだったのかもしれない。

初日はそれこそ『おかしな態度を見せたら尖ったもので刺す!』という気持ちでいたのだけれど、たった二日間、数時間一緒にいただけで、刺々しい気分でいるのはダメだと悟ったのだ。


朝陽に関しては、冷静さを失い、振り回された時点で私の負け。動揺して朝陽のペースに巻き込まれるのが一番よくない。

さっさと時計を見つけて、もう会わない。それで万事丸く収まるはず……。






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