上司と上手につきあう方法【完結】
懐かしそうに、朝陽は乱雑で片付いていない廊下の段ボールに視線をむける。
今、わざとって言った?
「朝陽……?」
朝陽の言っていることの意味がわからなくて、眉をひそめる私。
ちなみに、昔――
読んでいる本を借りるとかなんとかそんなことになって、だけど掃除しなきゃ本の場所がわからないって言われて、彼の部屋に行ったのが付き合いはじめたきっかけだったんだ。
あのときもやっぱり、足の踏み場がなくて――
「美琴」
彼は両手をゆっくりと伸ばし、私の顔の横に腕をつく。
体が本棚と朝陽の体の隙間に閉じ込められるかたちになった。
油断していたと言われればそうなのかもしれない。
だけど、まさかあの状況からこうなる?みたいな風に、驚いてしまって。
一瞬自分が置かれた状況がわからなくなった。