上司と上手につきあう方法【完結】
どうやら部長はまだ戻ってきていないらしい。塩田さんは一人でペットボトルのミネラルウォーターを飲んでいた。
「いいよ、そんなに畏まらないで。今日は東京営業所のみんなと、気軽に話せたらって思って来たんだ」
「いや、でもやっぱり緊張しちゃいます。昔を思い出します。ね、美琴」
「うん」
しっかりとうなずく私に、塩田さんは苦笑する。
「緊張を強いるような面接をした覚えはないんだけどなぁ」
塩田さんは本社にいるから、東京営業所には滅多に顔を出さないのだけれど、私も紗江子も彼の面接を受けてダブルベリーに入社したわけで、なんだか緊張してしまうのだ。
「そうかもしれないですけど、塩田さん、ニコニコしてるからかえって怖いんですよ。その笑顔の裏に、なにかあるような気がして……面接を受けた時は、少なからずそう思いました」