上司と上手につきあう方法【完結】

それは半分冗談ではあるけれど、半分本当だった。
塩田さんにはそういう底知れぬ何かがあるように見えるんだよね。


私の言葉に、塩田さんは「参ったなぁ」と笑って、それからバッグの中からきれいにラッピングされた焼き菓子を出し、私と紗江子に手渡してくれた。



「よかったら、どうぞ」

「もしかして噂の奥様の手作りですか?」

「そうだよ」



セロファンの中に入っているのは、とてもきれいなきつね色をしたマドレーヌ。
じわっとにじむバターの匂いが、食欲をそそる。

実は塩田さんの奥様は、筑波でお店を開いているのだ。過去何度かテレビで紹介されたことがあると聞いたことがある。



「わー、すごい! プロのパティシエでいらっしゃるんですよね?」

「最近はパンも焼いてるけどね。教室を開いたんだ」

「え、本当ですか!? 私、ぜひ行ってみたいです!」

「月に一度だけど、結構盛況らしいよ」

「詳しく聞かせてくださいっ!」



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