上司と上手につきあう方法【完結】
カッコ悪いから隠しておこうと思っていた私。
けど、いざこうやって自分の気持ちを口にしてみたら、やっぱりカッコ悪かった。
ああ、悲しい……。
膝の上でこぶしを握る。
「私……突然フラれたから、フッた朝陽を100パーセント悪役にしてただけなのかも……そもそも別れる直前までうまくいってるなんて思いこんでいた私だから、気付けなかっただけで、朝陽に嫌われて当然の女だったのかも……」
「美琴……」
「あ、慰めはいいの。でも、どっちかが100%悪いなんて、そうないもんね……」
更にどよーんと落ち込むと同時に、伴ちゃんがすっくと男らしく立ち上がり、私の肩に両手を置いた。
「よしっ、美琴さん、行きましょう!」
「えっ、行くってどこに?」
キラキラした大きな目の彼女を見上げると、伴ちゃんはビシッと窓の外に指を向け、
「どこにって、白浜神社ですよっ! パワースポットですよ、縁結びですよ! 女の恋は上書き! 新しい恋をすれば終わったことでいちいち悩まなくて済みますよっ!」
そう、まるでクラーク博士のように言い放ったのだ。