上司と上手につきあう方法【完結】
「今から風呂?」
朝陽はニッコリと笑って、くっきりした二重の瞳を眩しそうに細めつつ私を見つめる。
その瞳は、まったくもって、ただの感じのいい会社の同僚だ。
「――うん、三人で」
うなずくと、彼は仲間と一緒にエレベーターを降りながら、肩越しに私たちを振り返った。
「明日の朝6時になったら、今の女風呂と男風呂逆になるんだって。どっちも景色がいいから、両方いったほうがいいって。俺たちもそうするつもり」
「わかった。ありがとう」
朝陽は私の言葉に、ニコニコ笑って。顔の横で手を振り、
「じゃあまたあとでなー」
と、同僚と長い廊下を歩いて立ち去った。
そんな朝陽を見送ったあと、エレベーターの『閉』ボタンを押しつつ紗江子がうなる。